第58話

「山本さん、何処がいい?」


ノートに書かれていたのはあみだくじ。

恐らく下に映画のタイトルが書いてあるのだろう。

あまりにも可愛いことをする千秋に紬は一瞬固まる。


「山本さん?」


「あっ、ごめんね

柊くんがこういう事すると思わなかったから」


「迷惑だった?」


「全然!寧ろ可愛いとか思っちゃった…」


「迷惑じゃないなら良かった」


紬は千秋の書いたあみだくじを見て、真ん中を指す。


「これがいいです」


「ん、わかった


明日、君がもし僕のことを忘れても だって」


「恋愛系だ!」


「じゃあこれを見に行こう」


ショッピングモールに行くと最初に映画のチケットを自動券売機で発券する。


「山本さんは映画中に何か食べたり飲んだりする人?」


「そうだなー…キャラメルポップコーンは食べるかも」


「映画館のキャラメルポップコーンって普段より美味しいよね。

俺、買ってくるよ

飲み物何かいる?」

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