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浪川が言う事が全て正しいとは思ってはいないが、親父は母との結婚以外他の誰とも再婚すらしていなかった。


勿論離婚もだ。


それを兄様はここへ来たと言うのが事実ならば、俺達兄弟の間ですら、その事実を共有される事なく今に至って、そんな話を今更聞かされた俺は、このやり場のない名前の付けようの無い気持ちのやり場を抑える事が出来ずに、自分の手をきつく拳にしていた。


「社長はお屋敷に戻られない日はこちらでの生活をなさっております」


「なんで、今更…俺なんかにそんな事…別に知らなくても良かったでしょ!」


俺なんかが知った所で、なんにもならないじゃないか!


閉まっていたはずの玄関ドアが開き、そこに立っていたのは…


「……兄様…」


「暫くだな…」


「何で?だって、兄様は俺達には会いたくないって…何で?」

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