第54話

私は、そのまま新の真正面に座るとメニューを渡される。


「夕飯は?」


「あ、うん。食べる」


メニューを見ていると悩むがここはいつも通り頼むかな。


「新は頼んだ?」


「いや、一緒に頼むつもりだったから。

とりあえず決めたけど」


「じゃあ呼ぶね」


私はテーブルの端にあるボタンを押して店員さんを呼び、注文をする。


「すみません、ハンバーグのサラダドリンクセットを1つと…」


私は新をチラッと見ると、新もメニューを取り、


「すき焼き定食で」


「かしこまりました。少々お待ちください」


店員さんは、一礼すると席から離れていく。


「私、飲み物取ってくるね」


「おぅ」


席を立ちドリンクバーに向かうと、見知った男性の後ろ姿。


「え…辰巳さん?」


辰巳さんは、ゆっくり私の方を見る。


「よ、よぉ…」

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