第25話

「「いただきます」」


出来上がった料理を綺麗に並べてご飯にする。


男の人に手料理を食べてもらうのって、そういえば初めてかも…


口に合うのかな?


自分が食べるよりも先に桜井さんの感想を知りたい。


「ん!美味い!」


美味しそうに食べてくれる桜井さん。

その姿に安心して私も続いて食べる。


「茉佑は料理得意なんだな。

というか、家事が得意とか?」


「私、超貧乏生活してたじゃないですか…節約料理とかで色々と覚えたり」


「なんかスマン。」


私の事情を知っている桜井さんは申し訳なさそうに箸を止める。


「まぁそれは半分冗談で。

母が働いていたので自然と昔から家事は得意なんです」


「偉いな…俺と違って」


桜井さんは、御曹司で何不自由な生活をしてこられた。


でもきっと、その分自由になれる時間は少なくて親に言われた通りの人生で辛かったはず。

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