似ている人

第13話

「矢島先輩、すみません…ここの入力って」


「あ、そこはね…」


再就職してから2年が経とうとしていた。

私には可愛い後輩、ちょっと苦手な上司がいるけども平和に過ごしていました。


恋愛方面は全くですが…。

あの後、友人たちにも気を使って頂いて紹介しようか?とか合コンとか誘ってくれたけど、行く気にはなれなくて断っていた。


「あれ、この経費申請書…不備だらけ」


必要事項が全く書かれてないし、こんなんじゃ申請なんて出来るはずがない。


「すみません、席外して営業部に行って申請書直してもらいます」


経理部は5階で営業部は2階、エレベーターを使って下に降りる。

滅多に来ない部署だから見慣れない顔ばかりで書類の主を探すのが大変だ。


「あの、お疲れ様です。経理部の矢島ですが、

百瀬圭さんってどなたですか?」


入ったらすぐ近くのデスクに座っている女性に声をかける。


「お疲れ様です。百瀬さん?

百瀬さんは…あそこです」


彼女が手で指す場所は、窓際の1番端っこ。

お礼を行って百瀬さんの所へ歩いていく。


「あー!くっそ、頭回らねー…」


イライラしながらパソコンに文句を言っている人…あの人が百瀬さんだ。


「お疲れ様です。あの、百瀬さん…」


「あ!?」

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