第9話

「分かった。じゃあ、寝るから。脱がしてよ」




あたしはそう言って玲哉の手を掴んだ。


そして、自分のシャツのボタンまで手を持っていく。



勝負だ、勝負。


寝たいと言うなら脱がしてみろ。


少しは私が女だって意識するがいい。




「……ん?何?」


「いや、だから、脱がしてよ」


「なんで?」


「一緒に寝たいんでしょ?」




上から覗き込むように玲哉を見て首を傾げる。



玲哉はそんなあたしを何も言わずに真顔で見つめてきた。


瞬きすら少なく真っ直ぐに。



何だか…、見た事も無い顔だ。


あれ?手応えあり?革命が起きた?なんて期待してしまう。

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