第6話

まぁ、でも多分わざとではないと思う。


そこまで計算して動いているようには見えない。


単に鈍感なだけ。


本当に鈍感。




「ね、千秋。一緒にお昼寝しよ?」


「アホか」




ほらね。


恋する気持ちに全く気付いてくれない上に簡単に一緒に寝ようだなんて誘ってくる。



いい加減、少しくらい女として意識してよ!なんて、ちょっとイライラしてしまう。



もどかしさが怒りに変わるくらいあたしは限界だ。


好きでしょうがない。


女として見て欲しい。




「えー。一緒に寝ようよ」


「寝るわけがないでしょ」


「ちょっとだけ」


「無理」


「5分は?」


「無理って言ってるでしょうが」




何度も誘ってくる玲哉にきつくあたる。



だって無理。


無理ったら無理。


一緒に寝た日には、あたしの理性が持たない。



絶対に悪戯する。


寝ているのをいいことに間違いなく何か仕出かす。


ちょっとだけ、とか誘惑に勝てずに。

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