ディペンダンス

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第83話

マリオネットシアター 第八章 ディペンダンス


小学校の在る場所を降りたところにある、公民館の中の小さな図書館にあった一冊の詩集を思い出した。


その詩集は中原中也の詩集と一緒に並んでいた。詩人は、立原道造。

その詩集の一節にこんな言葉があった。


僕らは すべてを 死なせねばならない


あの言葉を、今、思い返している。

どんな詩で、どんな背景があって使われた言葉なのかは知らないが、あの言葉が心の中を回り出した。


帰り道のことだ。

細い凹凸の、大型車が通ればアスファルトの舗装が崩れそうな通学路を、工事用のダンプカーが轟音を鳴らしながら通って行った瞬間。


大きなタイヤが乱暴に回り続けるのを見ながら、その言葉を反芻する。

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