第81話
そう言って冷や汗の流れる額を光らせながら千歳を見つめるが、振り向いた千歳は、鉄の仮面を被っていた。
マリオネットのような、生きていない瞳をしていた。
すると、後方からこんな声が聞こえてきた。
「千歳さんがいるなんて知らなかったので、閉めちゃいました」
「千歳さん、変なんです。いつの間にかベランダにいたかと思ったら、千歳さんの自画像を自分で破って捨てていたんです」
先生は、その言葉で事態を把握したのかはっとした表情になったが、首を振った。
「そうだったんですね。千歳さん、何があったのか知らないけど、せっかく描いた自画像を破るなんてもったいないですよ。さぁ、中に入りなさい」
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