わたしの紅い花畑

1

第1話

マリオネットシアター 第一章


地震のように地響きが鳴る。


空が堕ちてくる。

もう後戻りはできない。


一歩一歩足を踏み出す度に鳴る胸の鼓動は、この世の終わりのリズム。

巨大地震にあったような感覚。

雨の降らない地面は、乾ききって割れている。

空は赤く怪しく光っている。


もう、ほんの少しで、この世界は終わってしまうだろう。ほんの数分後、この果てしない

世界から見れば、ほんの瞬く間に。


手に握られた包丁。台所からとってきたものだ。小さな箱の中で、二人は再び出会うだ

ろう。ついさっき決別したはずの二人は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る