第61話
「でも、いいんだ。わたしはあの人にとって自分の思いどおりにできる人形のようなものなの。あの人の元に生まれ落ちた瞬間、わたしは自分の命も体も心さえも、わたしの自由にはならないって決まってるんだから」
イヴは一息ついてから、力を込めて言う。
「わたしの体のこと調べたんでしょ?もういいの。取り返しのつかない所まで来ちゃった。わたしはもう引き返せない。失った手も足も取り戻せない。これ以上、どこにも手を加えることができない。使いようがないんだよ。わたしの命にはもう、価値なんてないの」
沈んだ声で言い放つイヴに、レイリードは声を荒げる。
「お前!お前まで何言ってんだよ。命に価値がないだぁ!?甘ったれんのもいい加減にしろよ。命に価値なんてない。命は誰でも平等に尊いものなんだよ!」
しばらく沈黙し見つめあう二人だったが、エントランスの玄関から吹き込む風にふっと吹かれてイヴがつぶやいた。
「ありがとう・・・・・」
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