第25話

上官の額に脂汗が流れた。

「・・・最初にそういうつもりだと言ってしまうと拒否されると思い言わなかったのだが、

もっと詳しく君に相談しておくべきだったね。悪かったよ」



上官は机の引き出しから蓮・ルシフェル・イヴァンナ調査書と書かれたファイルを取り出した。

数十ページに及ぶそれをパラパラと目を通して、机上に置いた。



「彼女の生い立ちから両親、現在、罪状に至るまで警察庁所属の調査団が調べた全てが記載されている。

君には担当を持たせる直前にイヴァンナ囚の生活態度を記すカウンセリングファイルと一緒に渡したが、

君はこのファイルの方は拒否したね。

今一度、コレに目を通してみてはどうだろうか」



「いえ。自分は政治犯の過去よりも今、これからを大事にする方針をとろうと考えているので」



「ある偉大な精神科医の言葉だが、人を相手にする職業には柔軟性が必要なのだよ。

これは、やはり君に渡しておこう。活用するか否かは君に任せるが」



レイリードはため息を吐きながらもファイルを手にとった。

パラパラとページをめくり、流し読みする。

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