第44話
家に着くと、おばさんはソファーに座り、僕達の帰りを待っていた。
弥生さんを見るなり、駆け寄り、抱きしめ、背中をさすった。
「弥生ちゃん、大丈夫だった?」
「すみません、心配かけました」
弥生さんは、おばさんの胸の中で泣いた。
「弥生ちゃん、旦那がオムライス作ってくれたから、食べて」
リビングのテーブルの上には、まだ温かいオムライスと、オニオンスープが置いてあった。
「私、お腹ぺこぺこです」
弥生さんは、それを見て、笑顔になった。
せっかく僕が腕を振るおうと思ったのに、おじさんに、かっこいい場面を持っていかれ、僕はがっかりした。
「マスター、はんぶんこしましょう」
弥生さんは、ひとつしかないオムライスを見て、たぶん僕に気を遣った。
でも僕は、半分だと、弥生さんのお腹が満たされないと思い断った。
「僕は大丈夫です」
そしたら弥生さんは、不貞腐れた顔になり、僕に文句を言った。
「車の中で、『一緒に食べよう』って言いましたよね?あれ、嘘ですか?」
「え、ぇ……まぁ……言いましたけど……でも……」
「あ、き、ら……まだ分からないの?せっかく誘ってくれてるのよ」
今度はおばさんが、僕に文句を言った。
「じゃぁ、食べます。半分に分けてきますね」
僕はキッチンに行き、オムライスを半分に分けた。
でも、これだけだと少ないと思い、
ヨーグルトにバナナと キウイ、みかんを混ぜ、隠し味にマヨネーズを入れた、フルーツヨーグルトを作った。
そしてリビングに戻ると、おばさんはもう、いなかった。
弥生さんと2人だけの空間。
僕の心臓が、再びバクバクし始め、顔の筋肉が膠着し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます