第17話

携帯電話で病院を調べたが、明日明後日はどこも休診だった。



どうしようかと悩んでいると、



再び彼からメッセージが入った。




『電話繋がらないよ?どうしたの?早く出て。無視するな』




彼がだんだん、苛立っているのが感じられ、私は悲しくなった。



自分が何をしたのか、私がどんな怪我をしてるのか、彼は分かっていない……。



初めは謝っても、時間が経てばすぐ元に戻り、怒鳴り散らす。



そんなの分かっていながら、それでも付き合い続けた、自分にも腹が立った。



私は、ボタンの壊れたシャツを脱ぎ捨て、歯ブラシや、下着や、化粧品をバックに突っ込んだ。



彼は必ず私に会いに来る。

酔いの覚めた頃、車を飛ばしてやって来る。



だから急いでアパートを出た。



彼に会ったら、許してしまいそうだから、私は逃げた。

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