第158話

やけに響く声だった。

体の細胞の奥深くまで行き渡っていく、

まるで操り人形にされてしまいそうな感覚。



こんな感覚に、前に一度浸ったことがある気がした。



「アイジくん、前にみるくと会ったことがある?」




期待外れの突拍子もない返答にアイジはコケた。


「現実に会ったのは、これが初めてだよ。」



「現実に会ったのは…って?」



「僕は君を見てはいるんだ。兄の記憶の思念の中で。」



「あにのきおくのしねんのなか?どういうこと?」

みるくは首を傾げた。


アイジは説明を続ける。

「君は、僕の言動の中に兄を見ていたのだろう?以前、君を牛から人間になるように差し向けた、あの坊主を。」



みるくはハッとした。

「あの人の!!」



似ていた。

坊主のあの悟ったような雰囲気と、アイジの心に浸透させていくように話すかんじが。

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