第86話





どうしてずっと、

体の真ん中に風穴が開いてしまったみたいに、

風の寂しさの中を漂っているんだろう。




何かが足りない…

何かが欠けてる…




「また泣いてるの?」



「うん…」



「どうしてそんなに悲しいことがある?」



「会いたい…」



「誰に?」



「ジローくんに、もう一度会いたい…」





大事な

大事なものが

欠けてしまった気がする。



それがないのなら、このざわめく寂しさの中を永遠にさ迷い続けるんだろう。




「ジローくんに会いたいよ!」

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