第21話
「助けてナンちゃん!」
「どうしたのよ」
「あの女の子、自分で体洗えないみたいなんだ。シャワーの使い方も知らないみたいだし」
すると、
女の子がジローを追ってびしょ濡れのまま泣きべそをかき、風呂場から出てきた。
「ジローく~ん、みるくを置いてかないでよ~」
「あら大変!
床が濡れちゃうじゃないの。ジロー、早くあのコを風呂場に戻しなさい。わたしは床を拭くわ」
「勘弁してよ。俺があのコの汚れた体洗うの?」
「他に誰がいるって言うのよ」
「俺が床を拭く」
「ダメよ。あんただって濡れてるじゃない。風呂に戻りなさい」
「ヤダよー」
「戻りなさいったら戻りなさい!
あんた、わたしの言うことが聞けないっての!?」
ナンちゃんがキレそうだったので、
ジローは仕方なく女の子の手を引いて風呂場に戻った。
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