第19話


風呂場の脱衣所で、ジローはドアの向こうの女の子に話しかけた。


「もしもし、お嬢さん、風呂からあがったら俺の服を着てくださいね。男物だけど、これしかないんで我慢してください」




しばらく返事がなかった。



心配になってもう一度声をかけた。



「お嬢さん?着替えの服はここに置いとくからね」



すると、ドアの向こうからすすり泣きが聞こえてきた。




「ジローく~ん。助けてよぉ」




「どうした!?」


ジローはドアノブに手をかけたが、ドアを開ようとする刹那、

哀しき童貞(純情少年)の性が、彼を止めた。


今、ドアを開けてしまったら裸の女の子が見えてしまう!



何も身につけない、生まれたままの女の子の姿が!


(見たい!

でも、いいのかジロー!?

裸を見られた女の子は恥ずかしい思いをするんだぞ?)

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