第39話
私は電車に1時間乗り、画材の専門店を訪れた。
そこは、2階建の文具屋さんで、店の中は、絵の具、マーカー、インク、それぞれ1000色以上が、棚や引き出しに並べられ、
いろんな形の筆まで、壁のにディスプレイされ、
ちょっとした美術館のような、空間だった。
私の住む町の文具屋では、色鉛筆は、12色と24色、36色の3種類しか選べなかったが、
ここは、色の種類、芯の硬さ、油性、水性まで、ざっと20種類以上の色鉛筆が並んでいた。
「何かお探しですか?」
店員さんに声をかけられ、私は質問をした。
「クリスマスプレゼントを選んでまして……この、水性の色鉛筆ってどう使うんですか?」
「この色鉛筆は、絵の具のように水に溶けます」
店員さんは、サンプル品を使って、色を塗って見せてくれた。
その他にも、ペン先が筆になっているマーカーとか、チョークみたいな物、カラー万年筆など、たくさんの画材を試させてくれた。
そしたら、何もかもが欲しくなって、私はお勧めを3種類も買ってしまった。
そしてその時思った。
このプレゼントを一緒に使って、彼から絵を習いたい。
絵の先生と生徒として付き合えば、彼のお父さんも、許してくれるはず……
私の脳裏には、私と彼が青空公園で、並んで絵を描いている風景が浮かび、心が弾んだ。
その時の私には、恐怖から逃げ続ける人生より、彼の近くで、笑っている人生を選んでいた。
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