2人で朱里の部屋に入る。



「なぁ、これ開けてもいい?」


「ん?あーいいよー」



手洗いをしながら適当に返す。



「なんだこれ?」


「今度はなんて書かれてた?」


「手紙っつーか、なんかの新聞記事。…ん?7年前のだぜ?なになに…?」


「ん?」



大樹の持っている新聞記事を見た瞬間、朱里は血相を変えて新聞記事をぐちゃりと握りしめた。



「どうした?それなんか知ってんの?」


「う…ううん。なんか、気持ち悪いじゃん?」


「まぁ確かに」


「てか、大樹もちゃんと手洗いうがいしないと風邪引くよー」


「はいはい、未来の看護師さん」



大樹が洗面台へ向かったのを見て、朱里は手に握っていた新聞記事を広げる。




紛れもない、“あの”事件だ。




「なんで、今さら…。」



封筒の後ろを見ても差出人の名前はない。




「誰なの…?」







それは、始まりを告げる過去からの手紙——…

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