revEnge【完】
千亜子
-Stage0-
《序章》
P.1
【中学2年生の女子生徒が、イジメを苦に自殺――
自殺の名所ともなっている崖に靴と遺書が残されていたそうです。学校側はイジメについて確認中とのことです――】
「しまった…」
冷蔵庫を開け、ほとんどの中身が入っていないそれに思わずポツリと言葉がこぼれた。
なんとも女子力のない冷蔵庫だ。
「んー、どうしよーかなー」
一旦冷蔵庫を閉め、考える。
自分しかいない1人の部屋にやけに自分の声が虚しく響く。
聞こえてくるのはテレビからもれるニュースキャスターの声だけ。
《続いてのニュースです。○○市で中学2年生の女子が屋上から飛び降り、意識不明の重体です。まだ詳細は明らかになっていませんが、イジメを苦に自殺を図ったと思われます。学校側はイジメの事実については現在確認中とのことです》
「イジメ、ね…」
《「最近、イジメで自殺する生徒のニュースが多いですが、どう思いますか?」
「そうですね。いじめというのは……」》
テレビから教育なんとかとか言うコメンテーターのコメントが流れる。
「うん、やっぱりチャーハンにしよう!」
そうひとりつぶやいて、再び冷蔵庫を開ける。
チャーハンくらいなら作れそうな食材が残っている。ご飯は、冷凍ご飯があったはず。
《続いてのニュースです。今年も大学3年生の就活が始まりました。今年も就職難と言われていて…》
「就職、か…」
冷凍ご飯をレンジに入れ、ご飯を温める。
そのうちに食材を細かく刻む。
「私も、そろそろ始めようか――」
薄らと笑みを浮かべ、フライパンに火をつけた――…
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