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「いいから食え。俺様の奢りだ。まぁ、俺が買ってきたわけじゃねぇけどな」
「……」
そう言ってニッと笑う戸塚洸大。
机に置かれたチョココロネを見つめながら、小さくため息をつく。
甘いものが嫌いなわけじゃない。むしろチョコは好きな方だ。
それなのに、チョコクリームがたっぷり入ったチョココロネを目の前にしても、食欲は全く湧かないし、こんなに食べられる気がしない。
別にコロネが大きいわけじゃないけど、私の胃にはきっと入らない。
昨日の夜もしっかりお弁当食べたし…。半分以上残したけど。
今まであまり食べてなかったから、胃が受け付けないのだ。
袋を開けず、ただじっとコロネを見つめる私。
「なんだ、チョコレート嫌いか?」
「そうじゃないけど……やっぱりお腹すいてないからいい」
「食えるだけでいいから、とりあえず食え」
やっぱりどことなく総長様に似ている気がする。
仕方なく一口食べてみた。
口の中にチョコレートの甘みが広がる。
ちらっと戸塚洸大を見てみると、嬉しそうに今度はメロンパンを食べていた。
……メロンパンが好きなんだろうか?
そんなことを思いながらチョココロネを半分くらいまで食べて、やめた。
「ん?どこ行くんだ?」
「…トイレ」
「じゃ、俺も行く」
当たり前のように付いてくる戸塚洸大。
いちいち拒否するのも面倒くさくなった。
きっと戸塚洸大に何を言っても無駄。
たぶん、それを決めているのは戸塚洸大じゃなくて、総長様なんだろうから。
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