P.116
「ッ…あ、もしもし?
……うん、私。
……うん
……うん
…大丈夫だよ。心配しないで。
…うん、わかってる。…また電話するね……
――ッ」
カチャンと受話器を戻すと、チャリンチャリンと十円玉が落ちてきた。
その音が、静寂の中にやけに響いて聞こえた。
狭いドアに軽く体を持たれかけ、ふぅーっと息を吐く。
なんか、疲れた。
それから十円を取り出してポケットに突っ込むと、ひっそりとそこを後にした。
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