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「だから、しばらく俺らと一緒にいてくれる?」
そう少し申し訳なさそうに聞きながら、どこか決定事項のように言う小宮雅人。
「なんでですか?」
だけど、私はそれに首を傾げる。
「なんでって今の話し聞いてなかったの?」
私の反応が意外だったのか、小宮雅人は驚いた顔をした。
「ちゃんと聞いてましたけど?狙われるかもしれないってことでしょ?」
それでも私はいつも通り淡々と述べる。
ここがどこで、彼らが誰で、何のためにここに連れてこられたのか、欲しかったピースは揃った。
状況がわかった今、先ほどのような混乱はなく、頭はいつも通りの冷静さを取り戻していた。
「うん、だから…」
「だから、一緒に居ろと?」
「うん」
あたかもそれが当たり前だと言いたげな口ぶりに、ため息が出そうになる。
さらに「バカなんじゃないの」と言ってはいけない言葉まで出そうになる。
「一緒にいたら『そうです』って認めてるようなもんじゃないですか。一緒にいない方が違うって思ってくれるんじゃないですか?」
彼らの話が事実なら、あの場に一緒にいたせいで、私たちの間に‘関係がある’と思われたわけだ。
でも、それは勘違いであって、実際には何の‘関係’もない。
それなのに、一緒にいたら‘関係がある’と認めていることになるんじゃないか?
だったら、今まで通り関わらずにいた方が、‘勘違い’だったと思ってもらえるんじゃないだろうか。
詳しいことは何も知らないけど、どんな経緯があったとしても、私と彼らの関係はまだ噂話にすぎないはず。
だとしたらは、わざわざそれを事実にする必要はないんじゃないか?
『一緒にいる』なんてお互いデメリットしかないことをしなくていいわけだし。
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