第38話

母は現在一人で暮らしてるアパートに行き呼び鈴を鳴らすと、奥から母が出てきた。

雪、よく来てくれたわねといい、中に通してくれた母。

テーブルにはお茶とお菓子があり、母は今日はあなたが来ることを知って朝からお菓子を作ったのという母。

テーブルに着き、母はまず私に雪お手紙ありがとう。それと私はあなたにひどいことをしてしまった。私があなたにしたことは暴力そのものだった。あなたを生んだのにあなたの身体を傷つけてしまった。そして心にも。私は雪に今までつらい思いをさせてしまった。本当にごめんなさいというと母は私に頭を下げた。

お母さん。もういいよ。私はお母さんの事恨んでないしね。お母さんには愛情をもらえなかった分、私はいろんな人が愛で包んでくれたから、私がお母さんにしてあげれることはなかったかもしれない。でも、こうして会えたことはうれしいよというと、雪、おいでといい、胸に初めて抱きしめてもらえた。私はその胸の中でしばらく赤ちゃんのように泣いた。

そして落ち着いてきて、お母さんは雪、お母さんは雪を生んでよかったという。その言葉に私は初めて生まれてきてよかったんだって思った。そして、渚が聞く。雪のお母さん、こうして話をするのは初めてですが、大友渚と言います。雪さんと付き合ってることをお許しください。僕は赤ちゃんポストに預けられて養子としてもらってくれた両親の愛を受け育ちました。あの時僕が言ったことは失礼でした。お詫びしますといった。

渚君、そんなこと。あの言葉がなかったら雪をこうして抱けなかった。私は養ってただけ、本当にそうなの。だから謝らなくていいのよと言ってた。

雪、よかったね、この人はあなたを大切にしてくれると思うの。

だからあなたも大切にしなさいね。と言われた。

お母さんはあなたを今心から愛してる。といって抱きしめてくれた。こうして初めて私はお母さんから愛された。

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