第72話

首筋にチクっした痛みが広がる。




な、何?と固まっていると涼は私から体を離してふっと小さく笑った。




「もう少し下に付ければ良かったかな?」




なんて言って私の首筋に指を滑らす。




「ぁっ、」




その指に体がゾクッと反応して自分の声じゃないような甘ったるい声が出た。



恥ずかしくて慌てて口を手で覆う。




でも、既にスイッチが入ってしまったのか、一度体を離した涼は再び私の首筋に顔を埋めた。



場所を変えては何度も肌に唇を押し付けてくる。



その度に体が反応してしまう。




「涼…。ね、涼ってば……」




名前を呼んでも涼はそのまま何も言わずに行為を続ける。




やばい。昨日の夜のことを思い出してドキドキする。





気持ちいいけど……。



明るくて恥ずかしい。




「りょっ…、待っ…て……」




堪え切れずに涙目になってきた頃、涼はやっと体を離した。

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