第18話

「ねぇファハド、『ばあや様』の事だけれど」


「ナジマ、あのお方様はきっと天で見守ってくれているよ」



********



彼等が村に戻ると、上や下への大騒ぎになっておりました


キョトンと目の前の状況がまるで理解出来ないファハドと侍従の前に、転げる様に膝下に飛び出した村長はこんな風に訴えるのです。


「忽然といなくなり滑落したのでは?と大層心配したのですよ」


村中総出で松明を灯し、男衆は夜をついて危険地帯の方々探したと、ポロポロ大粒の涙を流し訴えるのです。



不審に思った主従は昨夜の心温まる素晴らしき出来事〜


坂を登った突き当たり、磨いた石造りのたいそう居心地の良い小さな家での招待を細々と彼等にお礼と共に伝えました。


すると今度は村長の方がポカンと、まるで状況が良く飲み込めないといった風情でこんな事を尋ねるのです。


「はて??仰る意味がわかりませぬ、貴方様の言う小屋などございませんよ?」


「ですから高貴なお方様。

少なくともこの百年間はずっと、今我々が居る集落が国中最も高い標高に存在しているですよ?」



「!!そんな馬鹿な」


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