第5話


ファハドと侍従達は『山脈の国』に辿り着く前に『海の国』『岸の国』『熱砂の国』『平原の国』


〜物見遊山の観光では無いので「目的」、数多のザッと十種類以上、山の如くの種類のスパイスを各国、大急ぎで買い求めました。



どうしてか?といいますと、生産地、鮮度、何もかもがバラバラだからでした。


当然かぶる物もありましたが、山脈の国で隠居したばあや様が如何なる品を好むかまるで解らない為、資金を出し惜しむ訳にはまいりません。


中には重量と同じ分の黄金を所望する、法外な値段を商人が求める香辛料もございました。



ファハドはそれでも交渉の後、最高の物を自分達の足で探し揃えました。


全ては真実の愛あればこそです。


本音では今すぐ国に帰り、恋する姫君の床に駆けつけたい気持ちでしたが必死に心の痛さ辛さに堪えました


正に断腸の思いで〜


切なさと苦しさとやるせなさと涙をこらえ粛々と冷静に各国を訪れます。


『岸の国』では馬車をチャーター、恐れ知らずの御者の元で、体の中身全てが掻き回され揺れる程のガタゴト荒れる街道を猛スピードで駆け抜けました。


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