第79話

貢は上手い。なにがって。掃除もきれいにするし、料理だっておいしく作る。歌もすごくうまい。私と出会ったのは高校の時だった。私の障害は生まれつき、運動の機能障がいで普通の人に比べて私は歩くスピードが遅いのだ。そんな私が普通の高校に入った。周りの生徒たちにぶつかられて痛いと思ってると、大丈夫かいといい、優しい声が聞こえた。そう。それが貢だった。私はクラスでもおとなしい生徒だった。お弁当は一人で食べていた。そして体育も見学していた。すると先生に安井と呼ばれていた貢。そして今日は持久走だが見学するかと言われて貢はこういった。見学はいやです。僕の虚弱体質の事は気にしないでいいです。僕は僕のペースで頑張りますというと、よし。わかったというと先生が付いて貢の横で走っていた。私も走りたいと思ったが言えなかった。そして体育の授業が終わると、貢に先生が頑張ったなといい、ほめる。それを見た私は彼にお話をした。へえ。則之内さんって名前が南のか。かわいいねと言われて私は真っ赤になってしまった。僕は安井貢だよ。よろしくねといい、笑顔がキランとまぶしい。そんな彼はある日、部活動の子に掃除当番かわってといわれて彼が変わった。そして私はその横でみてた。この人掃除がうまいと思う。すると則之内さんどうしたのと聞かれた私は、安井君って 掃除うまいねというと嬉しそうにした。そして僕、院内学級にいたんだよ。中学校卒業と同時にこの学校を受けて受かったからここにきたんだけどね。その院内学級で出会った友達が僕のいいところを見つけてくれたんだよ。掃除のきれいさは僕が一番だったからという貢。そして去年その友達が亡くなったことを聞いた。その貢は今もその友達には感謝してるんだよという。世の中には病気で亡くなってしまう子がいることは知ってる。だけど貢は、僕は死なないし、この虚弱体質にも負けない。だから頑張るんだよというと、私は貢に今度私も体育自分なりに走ってみるよという。そんな出会いで私と貢は恋人になった。そして結婚した。貢はアカペラでハナミズキを歌う姿に涙した私だった。

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