第63話

和香という女がしつこい。俺の婚約者だというが、俺には幸というやつがいるんだよ。そして俺も嫌がるように電話を出た。ああん。なんだよというと、弘紀、あんたの好きな奴と別れないとおじいさんがただじゃおかないってさというのだ。男なのね。あんたが好きな子ってへえ。という和香。この女は探偵に調べさせたんだろうなと思ったので、そうだ。あきらめろよな。というと、その子潰してあげるよというのだ。すると、後ろから携帯電話を取り、幸人が出た。僕はちょっとやそっとじゃつぶれないよ。おいおい幸人。そんなに別れさせたいなら堂々と弘紀を奪って。でも僕は大事な人の為なら自己犠牲だってするよ。あきらめないよというと、電話を切る幸人。これで大丈夫っていうと、弘紀。まだ病み上がりなんだから冷えるって。中はいろうという幸人。その笑顔にほっとした。

こいつを怒らせると怖いんだが、俺はこいつに嫌われるのはもっと怖い。俺を好きでいろよな。そうこいつを失うのは怖い。だから犠牲になんてさせないからなと思う俺だった。

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