第17話
そんなある日のことだ。幸と俺が勤務先から帰ってくると、男が玄関にいた。それは幸の親父を恨んでいると聞いていた長男だった。印象とは違う。それにこの人に幸を取られそうなオーラがある。
すると幸が「ごめんなさい」と謝っていた。やっぱりお父さんには会いたくないと思って聞いた。だが予想外だった。幸君、いいから頭をあげてくれ。俺は幸君の事を恨んでない。それに弟の結婚式は出たいんだ。父親は昔は恨んでたけど今は違う。お母さんがこういったんだ。その幸君が俺の異母兄弟ってのと親父の子だと知ったのは中学校の時だった。妹と弟たちは素直だったが。俺がその時はいろいろ難しい時だったから。で親父の家に向かおうとしてた。正直親父の事を殺そうとは思ってた。君は当時幼稚園だったから知らないと思うけど、たまたま幼稚園で友達を助けるところを見て、俺はどうでもよくなった。親父を恨む前に幸君のそんな優しいとこをみて。その友達は絵本を取られたことで泣いていたが、幸が車いすで突進していったから俺はびっくりしたよ。そしてその友達にこの絵本一緒にみよっていって。俺は妹と弟たちにこの光景をみせたかったくらいだった。幸、お前は思いやりを大切にしてる。今日もこのパートナーと帰ってくるときに車いすに移動するのを手伝ってくれてありがとうって言える。そんな素直さがお前にはある。これからも幸君に会いに来るかもしれないが、おれの事由人(よしと)兄さんと呼んでくれないか」というので俺はびっくりした。
幸は嬉しそうに由人兄さんというとお兄さんが嬉しそうだった。
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