あなたを守ります
第46話
SIDE アスナロ
ふう、先ほどは本当に危なかった。
このタツキという娘、かわいい。あの笑顔にキュンとしたが、あの方は椿様のもの。
あの笑顔を見せられたら、男はドキッとする。
「アスナロ。お前の反射神経はすごい」と褒められる俺。
椿様はほめてくださるが、俺にとっては当たり前なのだ。
俺も椿様に拾われた一人だ。俺が中学の時、父が借金で自殺をした。母は俺を置いて逃げ、ある日俺が華麗組に乗り込んできた。包丁を持って追い回す俺。すると、俺はここの若頭だが、こいつらを殺さないでくれ、こいつらを殺す代わりに俺を殺してくれと言ってきた。それが椿様だった。「その前にお前なにがあってここに来た」と言ってきた。俺の親父が借金苦で自殺したっていうと俺たちは金は貸さないといって俺に金はどこで借りたか調べてやるといってきた。そして事実が判明した。親父が借りたのは雷雨組(らいう)であることが。「俺たちの責任だ。すまない。落とし前をつけるからお前の気が済むっていうなら俺を殺してくれと言ってきた。俺はこの人のことを信じようって思った。
だから、おとなしくナイフを下した。すると組の誰かが俺に銃を向ける。一瞬危ないと椿様が突き飛ばそうとするが俺はこの人に当たっては大変だと思い、自分と一緒に横に転がる。でも弾はとんでこない。でも次の瞬間若頭にお前の反射神経はたいしたものだと言われ、俺は若頭から能力をかわれ、不在してた側近頭になれといわれる。俺は若から新しい命をもらったような気がした。
そして、今回の任務、それは若の恋人であるタツキさまを守れということだった。
「アスナロさん、すみません。守ってもらって」というタツキ様がすまなそうに言う。
私は若に救われた一人。だから今度は若のものであるあなたをお守りします。それが側近頭の使命です。そういって心を決めるのだった。
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