第32話

いややめてというと、おじさんが私をゆすって起こした。

そしておじさんと私がいうと、不安そうに見ている。

遅くなるっていってすみれを一人にしたのが悪いな。ごめんよというおじさん。それはおじさんも仕事というのをしてるから仕方ないと思った。今日、分かったのはおじさんがいないときがあって、仕事をしてるということ。でもおじさんは必ずうちに帰ってくるということだった。今まで私はおじさんと出会うまで、一人で外に出て、外でご飯漁って、公園で水浴びをして家に帰るパターンだった。それが今では学校というところに行き、勉強して友達と話してご飯を食べる。そして帰ってくるとおじさんのおかえりというとただいまとかえして、そしてあったかいご飯を食べれる。そしてお風呂という場所であったかいお湯に浸かって服に着替えておじさんに抱きしめられて寝る。これは普通であるのに、私にとっては普通じゃない。でもいつの間にかおじさんといるのが普通だと思い始めた。おじさんのすみれと呼ぶ声が聞こえる。返事が出来ない。どうしてと思った。そしておじさんは私にこれは過呼吸だねというと、すみれ大丈夫だというと、紙袋を口につけてきて落ち着いてというと、おじさんの優しい声で落ち着いてきた。そして私は眠るとすみれ、お休み。おじさんはそばにいるよという声が聞こえた気がした。

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