第34話

自宅に着きペコを置いて、そのまま再び門口の車へ乗り込もうとしたら……、



「まさか、そのままの格好で買い物に行く気か?」



今さら、私の私服にダメ出しをしてきた。



「え、デートじゃないんですよ? それに時間もないし」



「俺がお前の友達だったら一緒に歩きたくねぇな」


「は?」



そこまで酷い?


…やっぱり、酷いか。


ゴムウエストのゆるゆるボーダー綿パンに、ゲームのキャラクターの猫のティシャツ。


「ちなみにどこで服買うつもりなんだ?」



「え、AEONNですけど」



大型スーパーといえども、ちょっとしたブランドの洋服店だってあるし、ブライダル専門の店もある。




「アラサーのくせに、もっとマシな店で買えよ」



それなのに、この言われよう。



「ほっといてください」


「とりあえず、そのまま待合せの場所まで連れていってやる、それでいいんだな?」


しつこい。

私はあんまり人目なんて気にしない。




「ありがとうございます」



見た目重視のお金持ちなんて、やっぱり関わりたくないな。

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