第14話
コンコン!
「失礼します」
返事はなかったものの、数秒おいて、珈琲をのせたトレイを片手に会議室のドアを開ける。
眼鏡をかけ、ノートパソコンを見つめるその社長の顔は良く見なかった。
「……どうぞ」
知的な横顔は、確かに若そうだったけど。
そして、珈琲を置いて一礼して出ていこうとしたその時ーーー
「客にお茶出すのが遅い、アクセスリースの接客対応はこんなもんか」
どこかで聞いたような声が私の耳を貫く。
「も、申し訳……」
慌てて顔を上げて謝罪しようとしたのに、言葉を思わず飲んでしまった。
「え?」
「マナーが身に付いてないのはオフィスでも同じか」
嫌な言い方をするそのイケメン、
「な? 豆柴のオーナーさん」
散歩中に出くわした、あの性悪男だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます