第7話

いつもと違う公園でテンション上がりっぱなしのペコは、元気良くランを走り始めた。



「ペコ!! 待ってっっ!まちなさーい!」



豆柴といっても、運動能力は柴犬と変わらない。

元々活発な犬種なだけにその足の速いこと速いこと。



ラン初心者の私とペコは、こういう場所でのマナーもよく知らないのだ。



「わぁっ、ごめんなさいっ!」




ランにいたダックスフンドやトイプードルに愛想良く走り寄っていく。



その愛情表現に加減を知らないうちのペコは、飼い主にも飛びかかる勢い。



リードを掴もうとしたら、すぐにターンして逃げていく。



″せっかくの自由!掴まってたまるか!″



左右前後に揺れるペコのお尻がそう物語っていた。



「ペコッ!」


名前を呼んでも立ち止まりもしない。



普段、あんなに可愛がって従順なのに、野生化した柴犬は、もう飼い主なんて関係ないんだ。




そして、ペコは相手が金持ちの犬だろうが臆することなく走り寄っていく。




そう、あのロットワイラーにも同様だった。




ま、まって。



それ、大きいからっ!


ペコッあんた食われちゃうよー!





「アウっ!!」

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