第10話
玲。どうして私をここに連れて来てくれたの。暖かい食べ物も暖かい布団も暖かいお風呂も暖かい服もだけど、なにより玲が暖かい。私は醜いアヒルの子なのになんで。と思ってると、玲がレイサと呼び、ここに来いと言った。そして座らすと、前髪にハサミを入れた。その間呆然としていた。その前髪を切ると、鏡の前で写る自分。青い目だ。私は一瞬やだと思ったが、玲からこういわれた。レイサ。可愛いと。お前の顔を見たかっただけだというと、前髪を切ったことを許してくれというアキラ。許すも許さないも私はアキラにはなにされてもいいと思ってると、レイサ。お前は綺麗だと言われた。みにくいアヒルの子の話知ってるかと聞かれて私は最後どうなったのか知らなかったのだ。するとアキラは教えてくれた。白鳥の子供だったんだよ。みにくいアヒルの子はというと、大きくなって白鳥になったんだといった。レイサ。お前も今日から白鳥だというのだ。白鳥、その美しい言葉の響きに私がなんか悪いと思っていたが、アキラは私の目をみても気持ち悪いとか言わないのだ。それどころかきれいだなと言ってきた。綺麗という言葉が私は自分に言われたというのはなんか不思議と嫌な感じはしなかったのだ。
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