第82話

すみませんいつも当番さぼっててというと、あはは、塔矢は貢の掃除がきれいだからっていつもいってたことを思い出し、薫さんに伝えた。あのごろ僕の何も取柄がなくてね。塔矢が整理整頓で困ったのでやったら嬉しそうに笑っていた。いつしか僕は院内学級の掃除係だったよ。楽しかったよ。そうして僕、塔矢は人を褒めるのを得意だったんだからといったら、龍が俺も懐かしいよ。というのだ。そういえばここに来るとき、館内にはごみやほこりが落ちてなかったことに気が付いた。全然気が付かなかった。まさか貢だったなんて。お前が骨太だった面影が全然ねえな。それに背がたかくて、こんなに顔色もよくなってというと、あのごろはあまり食べれなかったんだけど、それも高校に行きだしてから改善してきたよ。でね。薫ちゃん、牧野は看護師さん泣かしてさ。女泣かせっていわれてたんだぜ。というと、まさかこんな牧野にこんなにかわいい嫁さんが現れるなんてねというと牧野はうらやましいのか。というと彼女をやらないと言われたのでわかってるよ。というと、俺にも奥さんいるんだしというと、その奥さんの名前を言ったとたん、かおちゃんは一瞬びっくりした。彼女と知り合いなんて思いもしなかったが、そういえば薫って言ってたっけ。彼女を破った人物って。そうだ。僕の奥さんは則之内南だ。びっくりするわなと思った。

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