第31話
静かな時間が流れたが、沈黙を破ったのは大地だった。
葉子、俺をみろという大地。怖くてあげられないと思ってると、
そっか。怖いよな。怒らないよ。だって君は家から拉致されただけだし、俺は謝らないといけないんだよというと、私は怒られることが怖くてあげないんじゃないよ。私は大地の悲しい顔をみるのが怖かっただけというと、悲しい顔か。確かにしてるぞというと、ゴマが来た。
ゴマは男たちに警戒して私を守ろうとしてたんだね。でも連れていかれたことが情けないと思ってたに違いないと思った。ゴマおいでというと大地の膝に乗ってきたので、ゴマはお前を守ろうとしたらしいな。でもゴマは猫だから何もできなかったと思ってるかというと、俺たちはゴマの残したこれに気が付いて、お前をすぐ助けに行けたんだぞ。それはスマホだった。偶然だけどな。ゴマが録音機能を押してて、それを聞いたんだ。あいつらはたまり場に行くとか言ってたから調べさせたんだよ。だったら案の定間に合ってよかったというと、それでも俺の顔見ないっていうのかよ。葉子(はこ)。というと、その声に一瞬顔をあげた。私が子供の頃に聞いたことのある声だった。
もしかしてあなたは、キーちゃんと呼ぶとそうだよという。
幼い頃、お前と約束したよな。大人になったら再開しようとというと、キーちゃん覚えてくれていたんだねというと、大地はこういった。俺の持ってたカバンが黄色でキーちゃんって呼ばれたんだわというと、子供の頃の事を思い出しびっくりした。俺もお前の名前をようこじゃなくてはこって呼んでたなというと、無事でよかったといい、泣いていた私に好きなだけ俺の胸で泣けという。
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