第77話
あれからどれだけ時間がたっただろう、おっさんたちはというと玄関から入りたいだろうに入れない。そこで多紀さんがこういった。すみません入りますというと、はいと一言が聞こえたため入った。美空と美咲は抱き着いたまま離れないらしい。あっそうだ。ご飯、グラタン作ったんだけど、食べてくれないかね。お二人ともどうぞというと、俺たちもいいんですか。ああーたくさん食べてねというと、美空が顔をあげた。私たちのために。お母さん作ってくれたんだね。ありがとうというと泣きやんだのだった。美咲も泣き止み、お母さんの手料理初めてだよというと、そうだねというと、ちょっと失敗してしまったよ。ゴメンねというと気にせずに食べていた。多紀さんはよかったですねというと、お母さんは嬉しそうに微笑んだ。お母さん、また来るからというと私もと美咲も出ていった。
美咲は帰り際にこう言った。私、多紀さんのお仕事のお手伝いができるように、心理カウンセラーの資格取ろうと思ってるの。そういう美咲は定時制高校に行きながらバイトをしてる。私ね。タヌキさんに会わなかったら、母とこうして分かり合うことも出来なかった。私にとってタヌキさんがいてくれたから、お母さんのことを受けいれたの。
美空は美咲の初めて夢を見つけてくれたことがとっても嬉しかった。タヌキさんは、美咲ちゃん、なんでというと、だってタヌキさんは忙しそうにあちこち行ってても楽しそうにしているんですもの。それによく私たちを支援してくれたことで、少しずつお母さんと距離も近くなったし。興味はあるからというと、大変だよ。言っておくけどというが、姉として言った。美咲、賛成。美咲は私のお手伝いもしてくれていたから、お世話が大好きだと思うの。だからというと、多紀さんはああー。美咲ちゃんが、心理カウンセラーの資格取るまで、スタッフは一人分、開けておくよ。だから頑張ってねというのだ。
夜の星にこう祈った。
みんなの夢や願いをかなえてあげてください。そして幸せをと祈った。
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