第63話

私は今まで学校というのに縁がなかったから学校に行きはじめてから、学校がこんなにも楽しいものだと思わなかった。

それは初めての先生が幸さんだったからかもしれない。そう思った。

頻繁に緊張が出たけど、学校を休もうとは思わなかった。

幸さんに頑張ってるねとか言われているが、私は自分が頑張ってるとかは思ってない。人には出来ることと出来ないことがある。得意なことや苦手なことがあるかもしれない。それを補ってるから人なんだと思った。みんな頑張ってるんです。健常者だから出来ると思ってました。でも彼らにも出来ないことはあるんですねというと、そうだねというと残念ながら、美空ちゃん、僕らには出来ないことのほうが多い。でも、その中でもいい所を伸ばす。それは出来るよねというのだ。そして幸さんはそれが僕の場合は教師だった。教師という仕事を通じて僕は人と関わることが出来た。それと健常者も障がい者も悩みはあるんだ。それは小さくても大きくても悩みはある。僕はいつも思うんだ。障がいは不便だけど不幸ではないってね。だから障がいを持って生まれて来たことでいやだと思わないで。この世に差別や偏見は今でもある。でもね。いつかそれがなくなった時、心のバリアが取れる。僕たちがそんな未来を作って行こうねというのだ。この先生のいった事に涙したのは私だけだろうか。そんな未来を築いていこう。私の未来これからどんな未来が待ってるんだろう。おっさんがその未来にいるのだろうか。そして私は笑ってるのだろうか。そんなことを思った美空でした。

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