第15話
おっさん、私どこかで働きたいというと、だめという。
おっさんとこにいたらご飯とかそういうのはおっさんだし、服なんかはおっさんだしと思ってると、どうしても働きたいっていうならお前と同じような障がいを持ってる人を紹介してやるからその人の所で働けと言うのだ。何をしてるのと聞いたらその人、私立で教師してる。お前の仕事は勉強とリハビリだ。それだけ頑張れたらお前にお小遣いをあげようというのだ。おっさん、お小遣いはいらない。おっさん。その変わり、ご飯はちゃんとちょうだいというと、それはそれだ。美空、ご飯は毎日ちゃんと食べさせる。それは俺の義務だ。お前にもう苦労はさせねえというのだ。だから気にするな。お小遣いはやるからといい、おっさんは譲ってくれないのだ。そして手続きに行くぞというと、幸さん元気かな。弘さんもというのだ。幸さん。弘さんと思ってると、俺よりおっさんだぞ。俺の学校の先生な。変わってるがなというのだ。幸さんと弘さんは俺の親代わりでもある。姉もな。姉は父さんたちっていうがな。私は混乱していたのだ。そういえばおっさんの事を知らない。おっさんって何者なのかなって思ったのだ。そんなこんなで私は学校に手続きに行った。
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