第330話

「じゃあ、その前にチューでもしとくか。」



「……は?」



と言った時には遅かった。



彼は私の唇を優しく自分の指でなぞって、そこにくちづけする。



久々の彼とのそれに、顔が赤くなっていくのが分かるけど、それをやめてほしいとは思わない。



優しかったそのキスも、だんだんと情熱的になってきているのか、角度を変え始める。




「…んっ、!」



と声を出したその時に、彼は自分の舌を私の舌に絡ませてきた。



長い長いキスで、息をするのを忘れてしまう。



くらくらとしてきた時、足が崩れ落ちそうになるのを彼が支えてくれる。




チュッとわざと音をたてているのかは分からないけど、いつになく敏感に感じてしまう。



「んう…っ!」



「バカ、あんま煽んな。」

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