第308話

「橘はな、お前の所為で死んだんじゃない。……お前のために、死んだんだ。」



“泣くな、泣くところじゃない”



そう言って、私の背中をゆっくりと撫でてくれる。



ねえ、橘君。



アナタは私のために、死んだの?



それなら、生きていてほしかったよ。



天に授けられた運命だったとしても、それが覆すことくらいアナタだったらできたんじゃないの?



ねえ、橘君。






「ごめん、ね…」



でも、でもね。




「ありがとう。」



死んでしまったアナタに届くか分からない言葉だけど、伝えたかった。



ありがとう、橘君。




できることなら、帰ってきてほしいと思うけれど、無理だって分かっているから。

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