第88話

いつの間にか、本当に気づかないうちに寝ていて日付が変わっていたようだ。



……心はまだ、彼女に向いたままだ。




「よ~、朱希。ちょっと話せるか~?」



そんな矢先に、皇紀さんはいつものような口調で僕に話しかけてきた。



それに何とも思わず、僕は勝手に彼の後ろにへとついて行っていた。









「これ、俺の部屋ね。」



そう言って見せてくれた部屋は、殺風景で何もない。



「あ、今何もねえとか思っただろ。これはな~、俺の一種の意地ってヤツなんだよ。」



……意味が分からない。




何も言わないけど、そう思っていると勝手にその意味について語り始める。



「何もない方が、余計なことを考えなくて済むんだな、これが。」

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