第80話

あー、考えれば考えるだけわかんなくなってきた。



もういいや、面倒だし。




そう思った俺は、もう一度だけ京也さんに頭を下げて、この場を去ろうと思った時、視界の端に橙色のものを捕らえた。



あの派手な色は、朱希の着ていた着物だ。



そんなのは一目瞭然なのだが、行きの時とは全然顔付が違うので、俺は目を細めた。






――…こりゃ、何かあったな。



なんていうのも、また一目瞭然。



いや~、分かりにくいのも罪だけど、分かりやすいのも罪だよな~。



少しだけ溜息を吐いて、俺は朱希がトボトボと歩いている倍の早さでそちらに向かう。




「どしちゃったの~、朱希~?」



いつもの調子で彼に話しかけるのだけど、よほどの何かのショックを受けたのだろう。



無反応。

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