第64話
「なん、で?」
「ん?」
「君なら、それが何だってことくらい、分かってるんじゃないんですか?」
そう、驚いたように聞くと、彼女はまた笑う。
今度は綺麗な笑顔ではなく、優しい笑顔で。
「それでも、人を嫌えないから。」
何って、愛しいんだろう。
そう思った。
人を嫌えないから、人を憎んだりしないことなんてできないのに。
どうして彼女は、たったそれだけの理由で、そのことについて何も思わないんだろう。
泣いたり、しないんだろう。
か弱そうな子なのに、どうしてそんなに強そうなんだろう。
「ねえねえ!その代わりって言ったら何だけど、お友達になってくれない?」
友達?
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