第33話
暫くバイクを走らせていると、わざとらしく後ろから俺をつけていますと言わんばかりに煽ってくるバイクが2台。
『チッ』
引き離そうとしても向こうは2人。
このまま倉庫に行くわけにも行かず、人気のない港の灯台でバイクを止めた。
男たちもバイクを止めるとヘルメットを取って、ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる。
『何か用?』
「【KINGDOM】のお姫様だろ?着いてきてもらおうか……うちのボスがお呼びだ。」
『大人しく着いていくと思うなよっ!』
男たちも元から俺が怯えたり、はいそうですかと大人しくついてくるとは思っていないから直ぐ様仕掛けてきた。
しかし、“お姫様”と不本意な呼ばれ方をすることが多いがこれでも和巳と共に【KINGDOM】特攻隊を率いる身だ。
こんな力任せな攻撃しかしてこない男たちには呆気なく勝ってしまった。
一人は気絶していて、もう一人の唸り声を上げて地面に倒れている男の胸ぐらを掴む。
『お前ら、どこの下っ端?』
負けたのにも関わらず、痛みに顔を歪めながらもニタニタと笑っている男をもう一発殴る。
この顔、援軍を呼んでるのかもしれない。
『答えろっ!』
「っ、ひははっ!」
『チッ……』
援軍を呼んでいるとしたら、長居はしないのが良い。
慧斗に後で調べてもらえばいいか。
未だ汚い下品な笑いをやめない男を気絶させ、バイクに戻ろうとして……こちらに迫ってくるバイクの音に溜め息を吐いた。
予想通りの援軍が十数人、おまけに鉄パイプやらバッドを持っている奴等ばかり。
『んなもんないと喧嘩も出来ねぇのかよ。』
「あーあー、伸びちゃってるよこいつら。つっかえねぇなぁ?」
蛇のような顔の男が俺が気絶させた二人の髪を掴んで持ち上げて嗤うと、髪を離した。
その衝撃で男たちの顔面が嫌な音を立てて地面にぶつかる。
『仲間だろ……あり得ねぇ。』
「甘いなぁ~?こいつらがお手伝いさせてくださいってお願いしてきたから、優しい俺が駒に使ってやっただけだぞ?」
胸糞悪い喋り方の蛇男がこいつらのリーダーか。
蛇男の「やれ」の一言で十数人の男たちが一斉に俺に向かって拳と脚、手に持ったバッドとパイプを振り下ろす。
「おらああっ!!!」
容赦なく頭部を狙ってる振り下ろされる武器を避け、時に腕で庇いながら男たちを沈めていく。
─────バチィッ
……マジかよ。
電気の弾ける音と脇腹に走った衝撃に体から力が抜け、視界が暗い闇の中へと引きずり込まれていった。
最後に見たのは、蛇男の勝ち誇った口許だった。
≪英依side end≫
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