第8話

「みゃー…」



「何もねえよ。」



わざと被せてきた言葉。



それは、自分自身にも言っているようなそんな言葉だったように聞こえた。



嘘、だ。



絶対、嘘に決まってる。




知ってた?みゃー君…。




みゃー君が嘘つく時ってね、咄嗟に足を組むって……みゃー君知ってた?



私は、知ってたよ。



ねえ、何かあったんでしょ?





それでも、それを聞く勇気がない私はきっととても臆病な人間なのだと思った。



「そ、っか。」



「ほら、次の時間は体育館だろ?さっさと行け。」



もうこちらを見てくれない彼は、もう一度ボールペンを自分の手の中で回す。



それをジッと見つめた後に、私は溜息を心の中で吐いてここを出た。

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