第26話

無我夢中で走っていたから、私は気がつかなかった。



私の横から、伸びて来た手に。






ただひたすら走っていた私の腕を、タイミングよく私の隣から伸びて来た手がそこを掴んだ。



びっくりして、私は止まらざるおえなかった。



引っ張られた腕はそのまま掴まれた相手にへと、引き寄せられて、私は体も同時に彼に引っ張られる。





「…っ!?」




声は出なかったが、心の中では大慌て。



体はそのまま彼の方に倒れ、すっぽり胸の中に収まってしまう。





びっくりして硬直したままの私の耳に届いた声の主は────










「無視するとは、いい度胸してんじゃねえか。真野。」




鋭い目で、私を見つめている達沙だった。

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